半目日記

早く全目になりたい

神社内のわたしの部屋。

こんにちは。いつきです。

 

前回のブログをみてくれた人から、

「神社に住んでたってことは分かったけど、それでもちょっと、だいぶわかんない

と言われました。

一瞬、えーそうかな?とおもったけど、よく考えれば

「まあそりゃそうだよね」

とおもったので、

神社内生活のディテールを書こうかなと思ったのですが、

どこに主軸を置いて書けばいいのかよくわからないので、

(もはやなにが普通でなにが普通じゃないのかがよくわからないため)

主にわたしの(というかわたしが勝手に自分の部屋にしていた)部屋の話を書こうとおもいます。

 

神社内の建物の構造は、

玄関を入ると左に居住スペースが二部屋と、

右に神社スペースが二部屋あって、

いつき一家は主に左の二部屋にひしめき合って暮らしていました。

モノがありすぎたので定かではないんですけど、

広さ的には多分、八畳と六畳、とかだったんじゃないかと思います。

 

お風呂はありませんでしたが、

キッチン(ていうか流し)とトイレ(ボットンと水洗の中間のやつ)はありました。

とっても大きい押し入れもありました。

そして屋外には父が勝手に建てたプレハブの物置があって、

神社(というかいつき一家の部屋)は薪ストーブだったので、

プレハブの物置小屋の中に、どこから入手してきたのかよくわからない、

大量の薪がいつもぎゅうぎゅうに詰まっていました。

夏には

「部屋の中で火を使うと暑い」

という理由で、よく母が物置で冷や麦(決してそうめんではない)を茹でて、

食卓に運んでいたのを思い出します。

物置でいうと、冬は物置の上に乗って雪遊びをしました。

物置(低い)の上から神社の方(こっちに行くほど高い)まで、

どこまで高さの恐怖に耐えて歩いて行けるか、

みたいな競争を、ふたつ年下の弟としていました。

神様の上を走り回るという子ども時代。

 

最初、いつき兄弟は三人兄弟だったんですけど、

わたしが小学校三年生のときに妹が生まれ、

四年生の時に年子で弟が生まれたことにより、

いつき一家は五人兄弟の七人家族となり、

(大家族で神社住まいだなんて、いつ大家族スペシャルに取材されてしまうかおびえていました)

下の二人が育つほど、二部屋は手狭になるばかりでした。

そして思春期を迎えたわたしは自分の部屋が欲しくて欲しくてたまらなくなり、

勝手に神社スペースの一室を自分の部屋にし始めたのです。

 

その部屋は、神社のイベントなどで、ひとが着替えたりとか、

いろいろな準備をしたりするための部屋だったと思うんですけど、

その部屋を抜けて奥に行くと、

参拝者から見えるお部屋(お賽銭とかがあるお部屋)に行けるんですよね。

つまり隣にはご神体?があったわけです。

そんなところに勝手にものを置いて自室化するいつき。

そして、止めない両親

その部屋はあっという間にいつきのお部屋となりました。

 

普段は、別によかったんです。

すごい寒いし虫も出るけど自分だけの部屋は部屋だし、

家族と一緒にぎゅうぎゅう詰めでいるよりマシだし、

思春期らしくひとりでいられて自由は自由でした。

でも、

時々、町内会の人が勝手に入ってくるんですよね。

 

前回にも書いたんですけど、神社はたぶん町内会で運営?をしていて、

管理は町内会の偉い人もやってたりしていて、

お賽銭の回収とか、おみくじとかお守りの売り上げとかは、

たぶん町内会の偉い人が管理をやっていたんだと思うんですけど、

その人がわたしの部屋(※正確にはわたしの部屋ではない)に勝手に入ってくるわけです。

わたしが寝ていようが、パンツを穿くところであろうがお構いなしに。

 

思春期すぎるわたしは、両親に

「町内会の人がわたしの部屋(違う)に勝手に入ってくるのをなんとかして欲しい」

と訴えたのですが、

「まあ、本当はあっちは住むところじゃないから」

と正当すぎることを言われて悲しかったことをよく覚えています。

 

いま思えばせめて玄関に鍵をかければよかったのにともおもいますけど、

わたしの両親に施錠という発想はありませんでした。

長期で家を空けるとき以外は鍵をしていなかった。

「貧乏だから盗られるものなんてない」と思っていたんでしょうけど、

賽銭という現金があるんだぞ。

不用心にもほどがありすぎるだろ。って思いますね。

いま言っても遅いですけど。

 

そんな感じで、

半分自室、

半分町内会のひとが勝手に通り過ぎる部屋

でわたしは17歳まで過ごしました。

 

わたしに「恥ずかしい」という概念があまりないのは、

この時代のせいなのかもしれないなっておもいますね。

 

町内会のひとに、着替えを見られても日常だったから。