半目日記

早く全目になりたい

平成とインターネットと私

初めてインターネットに触れたのはたしか中学生の時で、

たぶん平成10年前後。

 

ゴリゴリにオタクだったので二次創作サイトをめっちゃ見た。

主に海賊のやつを見た。

尾田栄一郎先生ごめんなさい。

 

「裏ページ」

と呼ばれる隠しページには表ページにないエロい漫画とか小説がたくさんあって、

存分に裏ページを堪能するため、

家にはインターネットもパソコンもなかったので、

高校では

「パソコン部」

という、活動内容が

「個々がそれぞれただインターネットをするだけ」

というもう部活動としてはほぼ成立していない部活に入った。

多分メンタル的にはいまでも退部していない。

 

お?ついにパソコン部に期待の新人か?

と思われるほど熱心に日夜インターネットに勤しんでいた私は、

どういうインターネットを辿ったんだったか、

テキストサイト

にたどり着いてしまった。

 

あの頃のインターネットは、

「発展途上インターネット」

すぎて、

現世ではありえないほどの自由度があった。

「発展途上インターネット」には、

警察も、日本の法律さえも及ばないような、

治外法権感があった。

 

今でもあの頃のインターネットをリアルタイムで体験できたことは幸せなことだと思っている。

 

そして、発展途上インターネットの中でテキストサイトから

「インターネット的おもしろ」

なるものを発見し、

テキストサイトを徘徊しまくっているうち、

私はオモコロ創設者であるシモダさんに、

(一方的に)出会った。

 

当時シモダさんは「ゴブリンと僕」というサイトを運営されていて、

ゴブ僕以外にもたしかいくつかの記事を書かれていたと思う。

ぺろたんのスタンプもまだ使っている。

 

独自のイラストと世界観と、

テキストサイト的おもしろが混じりあって、

私の中で

「一番好きなインターネット」

の世界がシモダさんの作るインターネットには、あった。

 

 

ブスがこの世を生き伸びていくには、

努力をしまくるか、

オモシロで笑いを取るかしかなく、

ゴリゴリにブスでオタクの私は笑いを取って生きるしかなかった。

 

「笑い」

が好きなオタクの私には、

自分の好きな笑いを作るシモダさんは、

今では軽い言葉になってしまったけれど、それこそ

「神」

であった。

 

「唯一絶対神シモダ」

が、インターネットの中にはいた。

 

 

オタクは好きなサイトに行くことを「日参」と言った。

わたしはシモダさんのインターネットに日参することをやめなかった。

 

シモダさんは当時大学生で、

卒業してすぐペパボさんに入った。

そして面白いテキストサイト仲間と、

「オモコロ」

を立ち上げるのを、

ずっとモニター画面のこちら側から見ていた。

 

あのシモダさんが、

素敵でオモシロな仲間たちとおもしろげな何かを始めた・・・・・・

リアルワンピースかよ、

と私は思った。

 

それからのシモダさんの活躍も、

ずっとインターネットの海を通して眺め続けていた。

私は大学に入ったり普通に会社員になったりしていた。

 

ある日シモダさんが、

「会社を辞めてオモコロだけで食べていく」と言った。

私は思わず立ち上がった。

でもバーグハンバーグバーグってなんだよ、

って思って座った。

 

 

 

ついに出航するのか、

オモコロ号が。

インターネットという大海に。

 

 

そこには、

なんとも言い難い謎の感動があった。

 

 

 

そこからオモコロ号に乗った、

ルフィことシモダさんがインターネットという大海に飛び出して、

仲間たちと活躍しまくっていくのも、

ずっとインターネット海を通して眺めていた。

 

こんな働き方、

稼ぎ方がインターネットのある時代にはできるのか・・・

というのがワクワクして、

希望でしかなかった。

 

 

「会社員」

という働き方が私には限界になっていたので、

私は自営業になった。

会社を辞める、

という勇気を私は確実にシモダさんからももらっていた。

 

 

 

オモコロを、

ずっと眺め続けてきた。

眺めるだけだった。

正しいオタクとは、

推しには決して迷惑を掛けず、

遠くで愛で続けるものであったからだ。

 

 

でも、私はある時強く思ってしまった。

「私も!!!オモコロ号に乗りたい!!!!!!!!!」

と。

 

面白素晴らしいオモコロライターがどんどん増えていくのを見ているうちに、

私もオモコロに入って、

インターネットの大海をみんなと一緒に暴れまわりたい・・・

そしてひとつながりの秘宝よりお金が超欲しい・・・・・・

と、

強めに願うようになった。

 

 

でも、

シモダさんはある日オモコロから、

バーグハンバーグバーグからいなくなってしまった。

 

平成が終わるとともに、

シモダさんが、

オモコロという船から降りた。

ずっとモニター画面のこちらから見ていた側からすると、

それは、あまりにもあっさりと。

 

これはのちにインターネットの教科書に載る大事件だと私は思っている。

 

 

詳しいことはわからないし、

別に知らなくてもいいし、

さみしくはあれど、

これからどうされていくのか、

また新たなワクワクをもらえたとおもっている。

 

 

 

 

 

 

平成が終わる。

令和が来る。

 

 

 

 

 

シモダさん、

平成の終わりに、

あなたの作ったオモコロの、

「オモコロ杯」

で佳作を頂けました。

 

できればシモダさんがいらっしゃるときに、

お目にかかれるように頑張りたかったです。

 

 

 

 

 

 

私にとってあなたは、

平成のインターネットでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

令和のインターネットではお目にかかれるよう、

頑張りたいなと思っています。

 

 

 

 

 

その証におでこに

「がんばるぞ」

を彫って令和を生きようと思います。