まっこのこと。
こんにちは、いつきです。
先日、わたしが経営するお店が一周年を迎えました。
(わたしは素敵なネイルのお店を自営してなんとか生計を立てております)
いやー、一年って。
本当に本当に、あっという間でですね。
なんかこう、この一年どんなことがあったか思い出そうとしても、
走馬灯のように色々浮かびはするのですが、
そのほとんどがいいこと、有難いことばかりで、
悪いことってほぼ、思い出せなかったんですよね。
(わたしの脳みその容量が少なすぎ説もあります)
それなりにプライベートで色々あったり色々あったりしましたが、
プライベートは生まれてから今までずっと色々あり続けているので、
この一年通常通りだった、といえばまあ通常通りだったんだと思います。
ありがとうお客さん、お仕事を下さる人、関わって下さるみなさん。
ありがとうありがとう・・・
そう思い続けて経った一年でした。
そんなこんなで一周年ということもあり、
最近、仕事に関するいろいろを考えることが多かったのですが。
わたしは大卒でうっかりブラック企業に就職する前も学生時代にいろいろなバイトをしており、
(レジ打ち、テレクラのサクラ、チャットレディ、コールセンター、ホステスなど)
(面白バイトがしたかったためまともなのが少なめですね)
ずっと極貧だったのでそもそもお金も好きでしたし、
働く、ということ自体も好きでした。
だって、働くとお金をもらえるうえ楽しいんですよ?
最高か!
ってなりますよね。
なので楽しいと思えない、退屈な仕事は続きませんでした。
学生時代にほんの数ヶ月、
店内に闇のオーラ漂うカラオケ&レンタルCD店でバイトしていた時は、
そのお店も色々変人揃いで特殊すぎて、
バイト初日なのに、数時間いただけで、
「私には向かないと思うので帰らせていただきます」
といきなり帰った人がいるくらいの、アレなお店だったのですが、
わたしには単純に仕事がルーティン過ぎて、そこは極端に向きませんでした。
カラオケ個室に防犯カメラがあり、室内の様子が見られるようになっていたので、
男女で入室し、明らかにカラオケをしに来ていない不適切な行為(内容はお察しください)があった場合には、
「ほう・・・」
と少しだけチラ見はしていましたけどね。
少しだけ。
本当に少しだけです。
おっと、話が逸れました。
今回はわたしの仕事観について書こうと思っていてですね。
学生の頃、まだ世の中のことなど何も知らず、世間知らずすぎたわたしは、
新卒でうっかり地元のブラック企業に入社してしまい、
同族企業というやつで、同族経営なんていい噂など聞かない構造なんですけど、
そのブラックぶりに、わたしは入社早々に相当心身ともにやられておりました。
劣悪な労働環境、
アレすぎる社長一族、
アレすぎる上司、
アレすぎる先輩。
数々起こりくるあまりのブラック的出来事に、
まともな会社勤務の人にわたしのブラック会社のありえない話をしても、
「会社なのにそんなわけないだろハハハ」
と言って信じてすらもらえなかった記憶があります。
たとえば給料日に毎回社長室に「ありがとうございます」と言いに行くルールとか、
ボーナスの日に「すぐ辞めたらボーナス返すね」という誓約書を書かされるとかね。
めっちゃ面白いですけど実話ですからね。
長すぎる労働時間と休みのなさと意味不明な仕事とアレすぎる人間に疲れ果てていたわたしは、
春入社したにも関わらず、夏くらいにして既にやられており、
高校のお友達と開いた飲み会の席でも相当憔悴していました。
その飲み会で登場するのが「まっこ」になります。
まっこは高校時代のクラスメイトで、
ほぼギャルとオタクしかいなかったクラスの中で、
群を抜いてギャルでした。
とにかくすごくギャルだったし、金髪だったし、肌も黒かった。
スカート丈もとても短くて、もうルーズソックスも廃れ始めていた時代にルーズソックスでした。
でも細くてスタイルが良くておしゃれでめっちゃ面白くて、
そして何より自由でした。
中身がオタクのくせにオタクの輪に馴染めなかったわたしは、
チームギャルの近くにいたりもしたのですが、
わたしはまっこの自由度が大好きでした。
わたしは高校時代三年間ずっと学級委員をやるような、
メガネで黒髪で制服もきっちり着ているタイプでしたので、
まっこはわたしにとって憧れ的な感じでした。
いつどうやって仲良くなったのかあまり覚えていませんが、
高校時代のまっこの記憶は、
わたしをクラブに連れて行ってくれたりとか、
変顔とかわいい顔が半々で写ってるプリクラ帳を見せてくれたりとか、
一緒にカラオケしたりとか、
まあ授業中の記憶が全くありません。
果たして授業を受けてたのか、まっこは。
あ、体育の授業を受けてたことだけちょっと思い出しました。
そしてまっこは途中から高校生であるにも関わらず夜のバイトをはじめ、
きっかけは何だったか忘れましたが、途中で高校を退学しました。
そうして先ほどの、
わたしがブラック勤めで疲れ果てていた時の飲み会で久しぶりに会ったまっこは、
かなり立派なキャバ嬢に仕上がっていました。
当時のまっこが働いていたお店は、
「パンツ一枚で待機し、お客さんが来たら『いらっしゃいませ〜』と履いてたパンツを脱いでお客さんの頭に乗せる」
というお店でした。
衝撃を受けたわたしたちは、
「ていうことは接客中全裸じゃん!!恥ずかしくないの?!!」
と聞いたのですが、それに対してまっこは一言、
「正直、慣れる」
と言っていました。
ま っ こ ! ! ! ! ! ! !
って、なった。
そんなまっこや他の友達たちに、わたしは自分の会社のブラックぶりを話しながら、
かなり泣きそうになっていたのですが、
まっこはそんなわたしを「????」と不思議そうな顔で見ていました。
この先同じ仕事を続けていけるか分からない不安、
でも新卒ですぐ会社を辞めた人間が次に就職できる会社なんてないし、
でももう心身ともに限界、、、
ということを話していたと思うのですが、
それに対して
「ていうか・・・」
とまっこは言いました。
「今しかやりたいことやって遊べる時間なんてないのに、働いてるとか意味わかんなくない???」
は、働いてるとか意味わかんない?!!?!?!!!?!
ま っ こ ! ! ! ! ! ! ! !(二回目)
学校を卒業したらそれ以降はずっと働き続けるものとしか考えていなかったわたしにとって、
そしてどうやって自分の経歴を守りつつ働き続けていけるかばかりを考えていたわたしにとって、
その一言はあまりにもあまりにも衝撃的でした。
衝撃的、すぎました。
衝撃的すぎて飲み会のその後のことを全く覚えていません。
真面目すぎたわたしの仕事観に対し、
まっこの一言がどでかい影響をもたらしてくれたことは間違いありません。
今のわたしにとっては、
どうなるかわからない先すぎることよりも、
「今」、がとっても大事です。
やりたいことは今しかやれないかもしれないのです。
わたしは仕事がやりたいことだから働きはするけど。
ありがとうまっこ。
まっこはわたしの中でレジェンド的女子です。
そんなまっこは今、コールセンターで正社員で働いています。
あのまっこが、正社員。
時は、流れる。