半目日記

早く全目になりたい

初恋はときめきメモリアルの中に。

こんにちは、いつきです。

 

極貧神社暮らしでいじめられっ子だったいつきは、

自分には恋などというものは生涯無縁であるとおもっていました。

恋どころか友人がいませんでしたからね。

恋愛なんてちょっとした都市伝説くらいにおもっていた節もあります。

 

だって、同級生の立場になって考えてみてください。

神社に住んでいて見た目も貧乏っぽくてほぼ誰とも会話せず本ばかり読んでいる女子ですよ。

(いま思い出しましたがこの頃はまだアトピーもとても酷かった)

総合的に考えて、小学生からしてみたら、普通に気持ち悪いですよね。

そりゃーいじめられるよね、とおもいます。

 

そんないつきが本を読み漁り、

友人であるなちこに出会い大量の漫画を読むようになり、

正真正銘のオタクになり始めたときに、

なちこが貸してくれた、『ときめきメモリアル』によっていつきの恋愛スキルは培われました。

 

ときめきメモリアル』なるゲームをご存知でしょうか?

 〜「ときメモ」こと、ときめきメモリアルとは〜

高校生活三年間を過ごしつつ、

数値化された自分のパラメータ(容姿、運動能力、勉強能力、芸術知識、雑学知識、根性など)を上げながら、

自分が狙った女の子の理想の男性になっていき、デート等で好感度を上げ、

最終的には卒業式の日に女の子から告白されるのを目標とするゲームです。

さらりと説明してみましたけどすごいシステムですね。

この頃にはまだゲームのジャンルとしてこういう恋愛シミュレーションというジャンルがなかったので、

ときメモがこのジャンルの走りだったのです。

システムの凝り具合も楽しさも女の子のキャラもときメモが圧倒的ナンバーワンでした。

KONAMIさんは神。

 

ときメモのシステムの話に戻りますが、

ときメモの中では平日に本を読んだり運動を部活動をしたりしてパラメータを上げて、

日曜日には女の子に電話を掛けてデートの約束を取り付けたり、

女の子とデートしたりすることが出来るのですが、

女の子は仲良くならないうちはまずデートに来てくれないんですよね。

あと、デートに誘う場所も選べるんですけど、

好感度が低い時は相手の好みの場所を選ばないと来てくれない。

そこで相手の好感度を上げるためにはデートをして、

三択式の会話から彼女の気に入りそうな会話をチョイスすることがマストなんですけど、

まずはデートに来てもらわないといけないので、

徹底的に自分のパラメータを上げ、

学校のイベント(体育祭や文化祭など)で活躍し、

休日には電話を掛けまくり、

とにかくデートに漕ぎ着ける

ということが重要になってきます。

 

お気に入りの女の子とデートをするために自分のパラメータ上げに必死になる。

現実で男子とやれよと思う気持ちはわかりますよ、

わかりますけどわたしは神社に住んでいるのでそんなことは不可能だったわけです!!(大声)

 

ときメモの中にはそれはそれはかわいい女の子(いつき基準)がたくさん出てくるんですけど、

ラスボスと呼ばれた詩織ちゃんがやはりときメモを代表する女子でしょう。

詩織ちゃんは主人公と幼なじみでありながら、

「容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、きらめき高校のスーパーアイドル」(Wikipediaより)

というスーパーハイスペックだったので、

自分自身も三年間のうちにかなりのハイスペックにならないと全然告白しに来てくれないのです。

三年間という限られた条件下で上げられるパラメータには限界がある、

となると、詩織ちゃんの好感度を上げるためにどうなることが必要かというと、

「デートの三択式会話が達人級になる」

という現実世界ではあり得ないスキルが上がってくる訳です。

 

ときメモのデートのシステムは、

まず日曜日に彼女の好きそうな場所にデートに誘い、

当日にデート場所に行き、

彼女が話し掛けてきた内容に何と返すかを三択から選ぶか、

デート中に何と話し掛けるかの三択から会話を選び、

それで彼女がいちばん好感度を持ってくれる会話だと彼女がばっちり好印象を抱いてくれてデートは終了となります。

好印象を抱いてくれたかどうかは帰りの女の子の台詞でわかります。

「今日はすっごく楽しかった!また誘ってね!」

的なことを言われるか、

「今日って、何だったのかな・・・」

的なことを言われるか。

女の子って残酷ですね。

 

いつきはデート前にデータをセーブしておき、

彼女の印象が良くなければデート後リセットしてデートをやり直す

という手法をよく用いていたんですけど、

続けていくうちにわかってくるんですよね、

彼女がどの会話を最高に喜んで好印象を抱いてくれるのか。

 

詩織ちゃんは前述したとおりラスボスと呼ばれた女。

メインヒロインでありながらいちばん難易度の高い女子だったので、

詩織ちゃんを落とす(ときメモ界隈では卒業式に告白されることを指します)ことが出来れば他の女子なんて容易いものでした。

 

詩織ちゃん以外にも、

文系眼鏡女子、野球部マネージャー系女子、セクシー系女子など色々な女子がいたのですが、

その女子たちが、

どんな男が理想で。

どんな場所が好きで。

どんな会話が好きで。

ということが、いつきにはほぼ瞬時に察することが出来るようになり、

デートの場所選びもデートの三択式会話も迷わずいちばん好印象のものを選べるようになったことで、

わたしは一緒になって家でときメモをやっていた弟から

「マスター」の称号を得ていました。

 

女の子の好感度がどんどん上がっていき、

女の子の方からもデートのお誘いの電話がかかってきたりするようになると、

付き合う前のギリギリの雰囲気なんかも楽しむことが出来たのですが、

二人の雰囲気がそうなってくるとお目当てのデート場所の帰りに、女の子から

「他にもどこかに寄って行かない?」

と誘われて喫茶店とかに行くことができました。

 

自分が誘ったデート場所以外に女子から誘ってくれる。

そして嬉しそうにお茶を飲んでいる女の子はとても可愛くて。

それは、すごくすごく、嬉しい時間で。

恋してるなって、感じていました。(画面を見つめながら)

 

そして、恋に無縁のいつきはときメモの中で、

盛り上がったデートには二次会があるんだ、ということを知ったのでした。